- 2020-2-13
- グッド派遣レポート, シリーズ, 派遣社員として安定就業したい!, きままに自由に働きたい!
喜びに貢献する今を担う短期派遣―株式会社サンレディース
株式会社サンレディースのここがグッド!
- 繁忙時の人材需要に対応できる
- 正社員化のチャンスがある
- 社会で働くことへのステップになる
私たちが働いている日も休む日も、どこかで働いている人がいます。たとえばスマホから商品を購入した時、注文してから商品が届くまでにどれだけの人が関わっているでしょう。ロボット化が進むとはいえ、例えば母の日のカーネーション配送、クリスマスケーキといった“時”に意味のある場面には、集中して人の手が必要になります。人の喜びにつながる “今”という大切な時の助け舟となるのが、短期募集のアルバイトや短期派遣です。
大阪市に本社を置く株式会社サンレディースは短期派遣に特化し、繁忙期の人材確保に貢献しています。全国に34拠点、平日一日2,000名が稼働しているという短期派遣について、代表取締役の髙城竹正さん、管理部の児嶋翔太さんにお話を伺いました。
猫の手も借りたい時の短期派遣
短期派遣として働く場合の手順として、まず同社に派遣スタッフとして登録し、31日以上の雇用契約を結びます。専用アプリを用いて日程、場所、業務内容から仕事を選ぶ仕組みです。企業に直接応募する短期アルバイトとは異なり、労働者の生活安定を守るため、短期派遣で働ける条件は法律で限られていますが、さまざまな現場を経験できる点、また日払いでお給料を得られる利点があります。
企業側のメリットとしては、希望する日程、人数に応じて人材を派遣してくれることが挙げられます。繁忙期に向け、自社で経費をかけて大量の求人募集を行うよりも、登録スタッフを擁する人材派遣会社に派遣するほうが、確実性があるのです。企業からの新規依頼は月に20~30件あるそうで、昨年の12月には300件を超えるほどのニーズの高さでした。「とくに飲食店様からの依頼は増えていますね。宴会シーズンになると通常時の固定シフトでは回らないようです。店長様一人で切り盛りする居酒屋からも依頼をいただきます」と髙城さん。依頼内容は大小多岐にわたります。食事の配膳、工場、物流倉庫での作業や、ちょっとした機材搬入、介護事業所内での健康器具の運搬など「こんな仕事があるんだ!」と社内でも驚く幅広さだそうです。普段では入れない式典や国を挙げての大きなイベントへの派遣などもあり、実は2020年オリンピック関連の仕事も決まっているそうです。
突発的なことにも、短期派遣のしくみが活きました。2011年の東日本大震災後、関東の拠点に仕事を求める人たちが殺到したといいます。被災地から身分証明書も預金通帳もなく避難してきた人たちでした。髙城さんはできる限り働いてもらえるよう、優先的に取り計らいました。お金がなければ復旧どころか生きることもままならない中、働くことによって人は明日に希望を持てる。非常時に生活を繋ぐことができるライフラインの一つとしての意義を感じたといいます。
日雇い派遣から短期派遣へ
一般的な長期の人材派遣とは異なり、短期派遣はかつての日雇い派遣に準じるものでした。日雇い派遣については、2012年法律が改正され、例外を除き原則禁止となります。これは労働者の雇用安定の目的で施行されたもの。「企業のニーズを満たしながら、あくまでも派遣にこだわり、短期派遣でも雇用を安定させられる方法を模索しました」31日以上の雇用契約を労働者と結び、雇用保険に加入、シフト管理システムを導入し、「ワークシェア派遣」として独自ブランドを立ち上げました。
他社が次々に日雇い派遣から撤退する中で貫いた短期派遣。「短期派遣が我々らしい。長期派遣は、今まで我々が培ってきたやり方とは異なることがわかりました」同社は、1986年に引っ越し時の荷造り梱包サービスから創業しています。引っ越し業者のオプションサービスとして、女性スタッフによる食器や衣類などの箱詰めや荷解きを行っていたことから「サンレディース」という社名に。指定された日時に行う業務が、今の短期派遣の仕組みにつながっているのです。創業時から、社会に貢献している姿勢は変わらないという同社。業界に付く負のイメージや、時に厳しい誹謗中傷にも、支持いただく企業やスタッフさんの存在によって乗り越えてこられたといいます。
社会への自信のステップに
同社には1か月に約30,000名の登録申し込みがあります。そのうち法律上登録できるのは約3分の1。主に学生や就活中の方、副業などで利用される方が多いといいます。最近では体の元気なシニア世代も増え、全体の1割を超えているとか。
特筆すべきは、スタッフの派遣先企業への就職が進んでいる流れです。結果として1か月に5人を超えるペースで企業への直接雇用に至っているそうです。これには意外でした。短期派遣といえばスタッフと企業の関係性は弱く、ドライに業務をこなすという印象でした。
ケースとして、何度か働くうちに企業からスカウトされることもあれば、同社のコーディネーターから企業に推薦することも。人材不足の企業からすれば、袖振り合うも多生の縁、短期派遣をきっかけにかけがえのないパートナーとなることも少なくないようです。中には、就職活動をしながら働くうちに派遣先企業からお声がかかり、今や取締役に昇格するほどの活躍を遂げた人も。思えば、お互いに“お試し”になりえるこのしくみ。エピソードは少なくないようです。
ある女性は、仕事を休みがちでした。同社の担当者が時間をかけて少しずつ伴走する中で、ある時大きな会社に就職のご縁ができ、今ではしっかり仕事に就けているといいます。短期派遣というゆるく築かれた人間関係の中で、見守られながら自然に成長していけたようです。のちに女性の親御さんから「まさか娘がこんな立派な会社に就職できるとは、思ってもみなかった」とお礼の手紙が届いたそう。
さまざまな事情で会社や働くことに前向きになれない方にとって、一歩を踏み出すモチベーションを受け入れるしくみが、同社にはあるようです。自分のペースで決断でき、一日一日、働いてお給料を得られた成功体験を積み重ねることによって、自信につながっていく。なによりも単発のアルバイトと異なるのは孤独にならない派遣会社の存在。同社は、社会参加への小さなステップになりえているようです。
成長が幸せへの道
働く人へのハードルを下げる特長として、髙城さんを筆頭に「あそびゴコロ」溢れる社風があります。「人の心を動かすことをしたい。あそびゴゴロがなければ仕事ってうまくいかないと思っていて。柔軟でいなければ、発想って生まれないですよね」働くことにも遊ぶことにも真剣だからこその考え方。広告やキャラクターはもちろん、公式テーマソングやラップのイベント、「社員が勝手に取り組んでいる」というYoutubeチャンネルのお仕事紹介はさすがのクオリティ。社員のみなさんの感性も、学生の間で「短期派遣といえばサンレディース」と名が通るほど浸透しているゆえんかもしれません。
固定概念に縛られず変化していくことを大切にされている髙城さん、現在は、企業の業務請負にも力を入れ、全国で請負現場リーダーの養成を進めています。「変化なくして成長はありえない。社会に貢献する機会を増やして人を幸せにしたい。」時流の変化を捉えながら強みを活かし、全力で前を向いていきたいという姿勢そのものを感じました。
Interviewee
代表取締役 髙城 竹正 氏(左)
管理部 児嶋 翔太 氏 (右)
企業概要
株式会社 サンレディース
- 設立: 1986年
- 代表者: 髙城由里子 髙城竹正
- 本社所在地:〒530-0022 大阪府大阪市北区浪花町12-24 赤坂天六ビル6F
- オフィシャルサイト http://www.sunladys.com
事業内容
労働者派遣業、有料職業紹介業、業務請負業(引越梱包開梱、物流関係作業、棚卸代行、サンプリング業務、キャンペーンスタッフ、その他)棚卸ハンディレンタル