シリーズ「グッド派遣レポート」

科学技術の向上に努め、社会の発展と人々の豊かな生活に貢献―株式会社ワールドインテック

株式会社ワールドインテックR&D事業部のここがグッド!

  • 研究開発の中核を担える人材で企業に貢献
  • 専門技術とともに人間力を高める社員育成
  • 社会への貢献を重視したスタンス

株式会社ワールドインテックのR&D事業部は、製薬を中心としたライフサイエンスと呼ばれる分野に特化し、研究社員約1,000名のうち99.5%を正社員で雇用、製薬メーカーや化学系メーカー、大学やiPS細胞などで知られる公的研究機関に派遣しています。抗がん剤などの治療薬やPCR検査機器をはじめ、基礎研究や応用研究など、研究開発の領域には、一般的な職業とは異なる特徴がありました。お話しいただいたのは、R&D関東第二ブロックブロック長であり、R&D新卒採用課課長の松本隆志さんです。

松本氏

企業ニーズと働くニーズを満たすR&D人材

プロジェクトごとに配属派遣先が変わるR&D(Research&Development)人材は、さまざまな現場での経験を積み、技術力を高めることができます。派遣期間はプロジェクトにもよりますが3~5年程度、長くて8年を超えるそう。生涯にわたって、さまざまな研究開発現場の最前線に携わり続けることができるのです。

一方で、今日の就職事情を見てみると、専門の学士、修士、博士号を取得しても、40~50万人のうち、研究職として就職できるのは5~10%程度だといいます。大手メーカーでも、研究職としての募集人員は毎年5~10名、少ない年で1~2名という狭き門。研究職として就職しても、プロジェクトが終わると、時に技術をともなわない周辺領域への人事異動もあるなど、研究者の志とスキルを活かしきれないもどかしい側面がありそうです。

というのも、研究開発は投資事業であり、一つの研究課題に対する投資額の中で研究を進めていかなければならなりません。薬が1つ認可されれば費用は回収でき、次の研究開発予算を確保できますが、新薬として市場販売が開始されるのは1~2万のプロジェクトのうち1~2件、億単位での金額を投資しても、陽の目を見るのはわずかという世界なのです。新薬開発において、ハイリスクハイリターンであっても製薬メーカーは研究開発を進める必要があります。上手くいくか、いかないか不透明な研究開発において、新たに研究者を直接雇用するにはリスクが大きいのです。こうした特殊性と専門性を汲み、企業側の雇用リスクとニーズ、そして研究者として能力を発揮したい双方のニーズを叶えられるのが同社なのです。

研究風景

技術力だけでなく人間力を高める

研究職派遣のニーズとして圧倒的に多いのは、メーカー先の正社員補助として、ルーチン作業を行う業務だそう。一方で同社が創業時から貫いているのは、メーカー先の社員と同等のポジションで、コア人材となって活躍できる人材です。

常に即戦力として研究開発の中核を担えるプロフェッショナルであるためには、かなりのレベルで知識や技術が必要になるのではないでしょうか。同社では、技術力のフォローとして、どの配属先でも必要になる分析や、化学の知識などを、京都大学、東京大学、大阪大学、首都大学東京と共同研究をしながら、研修提携を結んでいるそうです。

技術力のほかに特に重視しているのは、対応力、人間関係の構築能力を高める「人間力研修」。同社では「依頼されたモノを作ればよいわけではなく、『技能』をサービスとして提供してはじめて価値になる」との考えがあります。「技能」とは、その人につく腕前。スキル、志、サービス力を持つ人として、価値提供していくという考え方です。

新卒社員なら、入社前から1年2年3年次まで、2日間泊まり込みでフォロー研修を行います。さらに所属営業所ごとに、統計学などの研修と併せたホスピタリティーやおもてなし研修を年4回行うという徹底ぶりです。

研究職にホスピタリティーとは?例えば、個人ごとにアセスメントツールを使ったタイプ分けをし、客観的に自分の性格特性を知ることで得意な取り組み方を知り、また他人との違いを認識することで、周囲とどのように接すれば高いパフォーマンスを発揮できるかを学びます。また、怒りの感情を知りコントロールするアンガ―マネジメントなど、他者との関わりを円滑にすることに重きを置いているのです。

「技術が高ければニーズが生まれるということはありません。技術力が高くてもあなたと一緒に仕事をしたくないと言われたら、仕事はできません。研究社員には、『そもそもの概念を変えてください』と伝えています。技術があればマルでなく、技術やノウハウを配属先で提供できてはじめてマルが付く。サービス力を付けましょう、ということです」と松本さん。たしかに、個人に身に着いた技術は、持っているだけでは価値になりません。技術スキルは当然のこと、サービス提供や、他者との関わり合いでのチームパフォーマンスの意識も、重要な視点です。このような同社の方針には配属先からも共感を得られ、社員教育研修も請け負っているそうです。

社内講演会

人間的成長あっての技術支援

大切にしているのは、研究社員が技術的にも人間的にも能力向上し、結果的に自分という人を求められるような社員になってもらうこと。65歳まで相応の報酬を得ようとすれば、自分自身を高めていく意識がなければいけないというスタンスです。同社のいう「派遣」とは、単にフレキシブルに働けるという働き方でないことがよくわかります。松本さんはおっしゃいます。「私たちは派遣会社というより『技術支援会社』なのです」育成をさらに充実させていくことで、より社員のサービス向上を目指しています。

人間的成長は計れるものではありませんが、40代、50代の研究社員も途切れることなく次々にプロジェクトに参画できているという事実をみれば、技術的パフォーマンスと人間力の両面で求められる「人材」となっていることがわかります。

スキルアップと同様に、社員同士のコミュニケーションはどのようになっているのでしょう?研究社員のみなさんは、会社方針に共感を示される一方でなかなか本心を表現しない人も多いそう。所属する営業所管轄内をさらに細かく分類し、エリアマネージャーを任命、横のつながりをつくるエリア会を開催します。飲み会やフットサル、バスケット、音楽などのサークル活動、子育てを相談しあうパパママ会など。仕事はもちろん、枠を超えてフォローしようという同社の姿勢が伝わります。

社会的意義を感じる仕事を

「人」を中心に据え、お客様第一より研究者第一でありたいという同社。だからこそ独自の厳しい基準を持ち、採用には人柄も重視しています。どんな人材を求めているかを具体的にお聞きすると、研究開発を通して社会に貢献したい、生活を豊かにしたいスタンスがベースにある人。これは同社の理念でもあります。研究開発はあくまでも手段、その先に人々の姿を想像できるか?10年先、20年先の会社や世の中を想像できるかが、大切なのだそうです。私たちの未来をより良くするために取り組まれていると思うと、より敬意と感謝の念が深まります。

同社には、人を中心にして、さらに産学官連携で、総合的なサービス提供を行っていく構想も。ライフサイエンスの領域で社会により豊かさをもたらすビジョンと取り組みには、誇りと心強さを感じます。


▲オンラインによる取材となりました

Interviewee

R&D関東第二ブロックブロック長 R&D新卒採用課課長 松本隆志 氏

企業概要

株式会社ワールドインテック

  • 設立: 2014年
  • 代表取締役社長執行役員 岩﨑 亨
  • 【福岡本社】〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-1-1 福岡朝日ビル6F
  • 【北九州本社】〒803-0814 福岡県北九州市小倉北区大手町11-2
  • 【東京本部】〒105-0021 東京都港区東新橋2-14-1 NBFコモディオ汐留4F
  • オフィシャルサイト https://www.witc.co.jp/

事業内容

上場企業を主体とする研究開発、情報、技術、製造分野の総合コンサルティング、
人事コンサルティングおよびアウトソーシング

  • ・ファクトリー事業(製造分野の請負および派遣事業)
  • ・ロジスティクス事業(物流分野の請負および派遣事業)
  • ・テクノ・SI事業(生産技術・設計開発の請負および派遣事業)
  • ・R&D事業(研究開発・臨床開発分野の派遣事業)
  • ・リペア事業(修理サービスの請負および派遣事業)
  • ・購買事業(半導体関連の部品・部材調達事業)
  • ・行政受託事業(産学官連携による共同人材育成・就職支援事業)

この記事の著者

AsanoAkira

AsanoAkira

大学卒業後、大手住宅メーカーに3年勤務したあと、さまざまな社会を経験したく派遣社員として6社を渡り歩く。景気悪化による失業を経験したことも。6社目の経営コンサルタント会社で一般事務からコンテンツ制作業務に転身。以降、直雇用での約12年間は、企業経営の現場で経営事例などのべ200人以上の取材執筆、編集に携わり、「経営は人。人生そのもの」と知る。現在はライフコーチなどを通じて、100年人生を思い通りに動かしたい人たちと未来創りに参画している。
詳しくは「ライター紹介」ページをご覧ください。

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