シリーズ「グッド派遣レポート」

働くことで感じる、社会に貢献する喜び 株式会社セントラルサービス

株式会社セントラルサービスのここがグッド!

  • 企業主導型保育所で女性の社会進出を促進
  • 障がいも治る?!99%定着率の障がい者雇用
  • 社会への参加をうながす取り組み

毎日の仕事は、何のため?生活のためだけでなく、働く喜びを見つけられたら、仕事に対する向き合い方は大きく変わるでしょう。毎日が充実して、温かくカラフルに感じられるかもしれません。

働くことによるスキルアップから、群馬県前橋市の株式会社セントラルサービスは、「すべての人に雇用の喜びを」という理念のもと、社員をはじめ派遣スタッフ、地域に住む人たちとともに、仕事への喜びを常に追求しています。

すべての人にはたらく喜びを

誰もが安心して働ける職場環境を作りたいと、派遣や請負のスタッフさんだけでなく、社員や、地域の子育てママ、障がいを持つ方に対しても、活躍できる場の提供に取り組まれています。

その一つは企業主導型保育所の開設です。本社4階フロアの一部と屋上を改築することで、0~3歳児のお子さんを7:30から18:30まで預けることができます。認可保育所と並ぶほどしっかりとした基準で設立したというのは、本社業務部長でKids Park保育園園長の上原 伸一さん。

最上階の、明るく木のあたたかみを感じる保育所には、同社の社員、スタッフさん、そして地域の女性10名が利用されていました。隣町の高崎市から子どもを預けているという女性は、同社の請負社員として働いています。子育てのために働くことを諦めなければならなかったのですが、同社の存在によって、働く場所も子どもを預けることも同時に解決できたと、とても喜ばれているそうです。

「少子高齢化が進み、労働人口が減少する中で、働く女性の力が不可欠になると考えています。女性の働きやすい環境は整備されつつありますが、子育てと両立に悩んでいる方はまだまだ多い。その不安を少しでも解消し、安心して働ける環境をkids park 保育園が全力でサポートできればと考えています。」

また、障がい者雇用にも力を入れています。目指すのは障がい者の「活躍」。民間企業には従業員の2.2%の障がい者雇用が義務付けられている中、同社では、グループ全体の障がい者従業員を一括して雇用し、「特例子会社」として株式会社セントラルリリーフを設立しています。グループ会社の業務サポートとしてデータ入力などを行うほか、ほとんどの業務を他社から依頼を受け、オリジナルTシャツなどの印刷や、DM、パンフレット製作、封入といった、主に販売促進の分野で貢献しています。地域社会との接点を増やすことで、社会に貢献している実感を持ってもらいたいとして、群馬県内に4拠点と神奈川県に1拠点で運営されています。

同社には精神障がい者が10名、身体障がい者5名の計15名が就労されています。6年前の特例子会社設立後、定着率はなんと99%とのこと。平均50%と言われている中でこの数字はとても大きな成果といえます。

障がいを持つ方が活躍する秘訣

その秘訣を、本社業務部管理課課長の岩崎裕行さんに聞いてみました。「彼らを、一社会人として健常者と同様に考えること。そのうえで、お互いの障がいの部分を分かり合い、協力しあうことです」。

彼らは時折、思うことをうまく伝えることのできないときに辛さやもどかしさを強く感じてしまい、感情処理の難しさから、人と接することに苦手意識を強めてしまうことがあるそう。岩崎さんは、相互のコミュニケーションに、丁寧に配慮しています。「業務について、指示・指導だけでなく、『一緒にやりましょう』という目線を揃えた姿勢で向き合うことで、しだいにお互いを理解しあうようになった」と言います。

あるとき、いつも黙々と作業している精神障がいのある方が、他の仲間について「彼は、今こんな症状なんだと思う。自分にもそんな経験があったからわかる」と状況を教えてくれるようになったといいます。こうしてお互いを理解しながら補い合う協力体制ができてきたそうです。同社の取り組みがテレビや新聞などに頻繁に取り上げられていることで、自信も芽生えてきているそうです。

精神障がいを持つ方の得意な業務といえば、DMの封入、封かんなど、簡単な作業やマニュアル化できるような仕事だそう。段取りを明確に伝え、健常者では不可能ではないかと思われるほど、質、量ともに職人レベルで完璧にこなされるそうです。ある方は、立体的なだるまにすべておなじ顔を描き続けていました。集中をくずすことなく描き続ける姿を拝見して、私にはできないな、と感じました。

いっけん、発展的な業務や臨機応変さを求める仕事は難しいようですが、だからといって業務範囲を限定しないそう。それは彼らに秘めている爆発的な可能性を惹き出すため。「こちら側の『できないだろう』という固定概念のラインを引かないこと。きっとどこかに可能性があると、とにかく『ハマる』感覚を見つけるまで、あらゆることにチャレンジしてもらいます。」

たとえば、イラストレーターという描画ソフトがあります。ある方は、ほとんどの機能を使いこなせるようになり、リーダー補佐になられたとのこと。「まさかこんなことができるとは思わなかったね!」と、ご本人とともに驚き、喜びあったそうです。商品企画にも積極的に参画してもらいます。数々のチャレンジの中には失敗もあり、そんな中で自分たちの取り組みが受け入れられる喜びはひとしおです。

仕事以外の場でも、一緒にランチをとったり、バーベキューや忘年会にも、健常者の社員と同じように参加を促します。バーベキューには家で栽培している野菜を持ってきてくれるなど、喜んで参加することで社会の一員である自信を高めているそう。障がいをその人の個性として捉えながら活躍できる喜びを追求されている様子がうかがえます。

そんな中、とても嬉しいニュースがありました。なんと、精神障がい者として10年ほど勤務されていた方が、この春、障がい者手帳を返せるまでに回復されたそう!同社で仕事を続け、健常者になられたという知らせに、私も胸が熱くなると同時に、すべての人に働く喜びを追求することによる、一つの結果だと感じました。

常務取締役の大本周平さんは、おっしゃいます。「私たちは働く人の社会的参画を役割としています。なぜなら、仕事をすることは地域社会を活性化することだからです。本人にそのような意欲や意識はなくても、引き上げてあげることで『意外といい景色だ!』と気づくような、新しい世界をたくさん経験させてあげたい」

働く人と社会をつなぎながら、ちょっとした「いいな」を与えてあげる機会を、楽しみながら真剣に取り組んでいるという同社。「『いいな』とは、毎日の小さな喜びを積み重ねることで、自信が生まれ、可能性が広がり、成長していく。その合言葉なんです」とは上原さん。喜びを感じながら自身の成長を感じられた先の世界には、地域や人と共にイキイキと生きる自分の姿があることでしょう。

Interviewee

代表取締役社長 大本 寛 氏(左下)
常務取締役 大本 周平 氏(右下)
本社業務部部長 Kids Park保育園園長 上原 伸一 氏(中央)
本社業務部管理課課長 岩崎 裕行 氏(左上)

企業概要

株式会社セントラルサービス

  • 設立: 1989年
  • 代表者: 代表取締役社長 大本 寛
  • 本社所在地:〒371-0844 群馬県前橋市古市町210-3
  • オフィシャルサイト https://central-s.co.jp/

事業内容

人材派遣・業務請負・有料職業紹介

認定

優良派遣事業者
製造請負優良適正事業者
職業紹介優良事業者

関連会社

株式会社CSテクノ(技術派遣) http://www.cs-techno.co.jp/
株式会社セントラルリリーフ(特例子会社) http://www.cs-relief.co.jp/
株式会社データシステム(技術派遣)

この記事の著者

AsanoAkira

AsanoAkira

大学卒業後、大手住宅メーカーに3年勤務したあと、さまざまな社会を経験したく派遣社員として6社を渡り歩く。景気悪化による失業を経験したことも。6社目の経営コンサルタント会社で一般事務からコンテンツ制作業務に転身。以降、直雇用での約12年間は、企業経営の現場で経営事例などのべ200人以上の取材執筆、編集に携わり、「経営は人。人生そのもの」と知る。現在はライフコーチなどを通じて、100年人生を思い通りに動かしたい人たちと未来創りに参画している。
詳しくは「ライター紹介」ページをご覧ください。

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