シリーズ「グッド派遣レポート」

想いとスキルを自信に『求められる介護人材』になる シューペルブリアン株式会社

シューペルブリアン株式会社のここがグッド!

  • 社会に求められるかどうかがすべての基準
  • 「絶対に幸せになる」と言える想いの強さ
  • 正直に誠実に真正面で向き合う姿勢

  

医療や介護の現場において、患者さんや利用者さんが安心して利用できるための、働き手をめぐる問題はさまざま。2010年から医療・介護分野への人材派遣をはじめた広島県のシューペルブリアン株式会社は、みずからもグループ会社で介護施設を運営されています。派遣スタッフの3割強が医療・介護分野に従事し、高い満足度で社会福祉の現場を支えるという同社の想いと取り組みを伺いました。


▲(左)代表取締役 木下昌幸氏 (中央)取締役 上岡皓輔氏 (右)人材派遣事業部キャリアコンサルタント 宗久昌明氏

「誰のため、何のための事業なのか?」

「小さな会社でも、世の中に求められることを果たすことが大事」と話すのは代表取締役の木下昌幸さんです。
人材派遣業だけでなく、グループ会社で介護事業、運送業、コールセンターを運営している同社。どの事業も、儲けのためだけではなく、 “社会にとって何をすべきなのか”を問い、目的を明確に持つことだといいます。人材派遣業の中で医療・介護という専門性の高い難しい領域を手掛けたことも、社会に求められることを見越してのことでした。だからこそ社員にも「自信をもってやれ!うちが頑張ることが世の中にとって幸せになる」と強く背中を押せるのだそうです。

「介護は、人が人を幸せにできる最も尊い仕事」とおっしゃるのは、医療・介護分野でコーディネーターをする宗久昌明さん。将来、AIやロボットが人手不足をカバーする時が来ても、人は最後まで人のぬくもりに幸せを感じるでしょう。目の前の人と「ありがとう」を伝え合える喜びは不変でしょう。

宗久さんは求職者の方に、なぜ介護職に就こうと思ったか、どうなりたいかを必ず尋ねるそうです。適した働き方や施設への提案が変わってくるからです。伺うと、身内に介護が必要になった時に何もできなかった、だから身につけたい、お世話をしたいという求職者の方が多いそうです。

同社は、こうした介護未経験の方のスキルアップのために、実質無料で資格を取得できるように、資格取得スクールと提携をしています。目指す資格として「介護職員初任者研修」と、より専門的な知識と技術が習得できる「介護福祉士実務者研修」があります。働きながらスキル取得できることで、時給アップの交渉や正職員登用への道をひらいていけます。

すると、資格試験を受けた人の9割以上が、介護の仕事を続けているという結果が生まれました。「夜勤ありのフルタイムや、土日シフトにも率先して入ってくれます。もちろん正職員になる方もおられます。」福利厚生などの充実よりも、毎日実感できるやりがいと自信を大事にしていることが分かります。

介護は、もっとも人が人を幸せにできる仕事

他業種から介護職を希望される派遣スタッフの方も増えているそうです。例えば家電量販店でテレビを売っていた方が介護職として利用者さんと接することで、よりイキイキしはじめたそう。また会社員として長く働かれて定年を迎えられた方も、また今まで仕事が長く続かなかった方や、自分に何ができるかわからないという方も、「イキイキ働ける、はじめてここまで続いた、できるようになった」というほど、介護職にハマる方が多いのだそう。仕事は楽ではありませんが、利用者さんと接する毎日はかけがえのないもののようです。勤め先である派遣先企業だけでなく、同社のような派遣元企業は、働く人にとってより安心して働ける存在なのではないでしょうか。

「『介護職は選択肢になかった』という方も、やりがいをみつけて楽しんで働いておられます。20代からシニアまで幅広いですが、続けている人というのは、目の前の人を思いやることが喜びになり対価になるという、この仕事の特性が好きなんだと思います。私はこの会社のおかげで医療・介護業界を好きになり、介護で働く人を増やしていけることがわかりました。スタッフさんが働く日常に『それって最高だな!』ということをどんどん生み出していけたら、利用者さんも事業所もハッピー。みなさん、人の幸せにどんどん関わってもらいたいと思います。」

社会の「何のために?」をいつも追求する同社。場合によっては自社にとって不利な提案をすることもあります。例えば宗久さんは、派遣の提案ではなく派遣先の正職員の賃金を上げることを提案することもあるそうです。派遣会社でありながら「派遣に頼るな」と言えるのは、自社だけの視点ではなく、社会全体の未来を捉えていることの表れです。


▲介護施設管理者と所長

「うちに入ったら絶対幸せだよね」

代表の木下さんは派遣コーディネーター経験もあり、どうしたら目の前の人の人生が良くなるのかを常に考えてきたそう。社員さんにも派遣スタッフさんにも創業当初から言っていることがあります。

「うちの会社にいれば、絶対幸せだよ」

同社ではみんなが自信もって合言葉にしていると言います。取締役の上岡皓輔さんは「派遣スタッフさんにストレートに言っていますよ。『絶対幸せになるよ』と。ただ楽しいではなく、人それぞれの幸せがありますが、後に『ここでよかったです』と言っていただける自信はあります」

同社を訪れる派遣スタッフの方は、経験から派遣業界にマイナスイメージを持っていることも少なくないそう。同社では、派遣スタッフに対する行動基準を決め、仕組み化しているそうです。派遣就業したらそのまま放置、条件交渉をしないなど、対応がうやむやになるというようなことは派遣スタッフさんを幸せにしません。「何のためにどんなフォローをするのか?この期間にこの頻度で必ず行うこと、メールと電話だけでなく必ず対面する時間を作る、一定基準をクリアしたら条件交渉する」といったように、一つひとつ細かくルールを設定し、PDCA化して徹底しています。全社員が自信をもって取り組んでいるため、スタッフさんたちから喜ばれ、スタッフさんからの紹介が増えているそうです。

また同社のWEBサイトには、派遣で働くことのメリットだけでなくデメリットも明記されています。登録を誘うニセ案件や釣り案件も当然のことながらありません。「めずらしいと思いますけど、スタッフさんに仕事を紹介するとき『めちゃくちゃ大変だよ』とネガティブなことを正直に伝えます。特に介護のお仕事は強く言いますね。嘘をついたり隠したりしてもしょうがない。でも働いてみると逆のギャップになって『思ったより大丈夫でした』ということが多いですね。」

誠実な姿勢と行動が、スタッフさんの「信用できる、知り合いに紹介したい、派遣期間が終わっても同社で派遣を続けたい」という喜びの声につながっているとわかります。

想いと取り組みの両輪で

「入社志望者にも『うちに入ったほうが絶対幸せになるよ』と話しますし、社員に対してもそう、寸分の狂いもなく思っています。そういう意味で幸せな人生のほうが楽しいでしょう。想いの強さがいろんなものを変えると思っています。」行っていることは他社とそう変わりありません。だけど何よりも“想い”を大事にしてきたという木下さん。創業の頃から電話一台で人材ビジネスに携わってきました。「仕事を探していた同級生に、『お前の人生、俺といたら幸せになる!いっしょにやろうぜ』って言ったら入ってきた。それが今の役員です。何もない中からのスタートは過酷かもしれないけど、いい人生を送ろうぜって、すごく燃えた。今も役員たちの語り草になっています」


▲福岡支社と広島本社の、社員のみなさん

現在、従業員は約30人(派遣スタッフ・パート・アルバイト除く)。「幸せ」という言葉に軽々しさのない覚悟を感じるのは、一人ひとりの幸せを、家族や背景にまでしっかりと重く捉えていることがあります。同社ではそれを実感させられるターニングポイントを経験したことによって、その意識が根底に流れているそうです。人に対して真正面から向き合う姿勢が、社員同士や派遣スタッフにも向けられていることがわかります。

対面のコミュニケーションを大切にする姿勢もこの想いから。「インターネットを利用すれば、直接対話する必要のない便利な時代。だからこそ、あえてコミュニケーションについては“令和”でなく“明治”でいこう。人と人の間に、昭和の経済成長期以上のあたたかさ、愛を感じる向き合い方をしよう」と木下さんは話します。


▲同社グループが運営する介護施設

木下さんに今後の展望をお聞きしました。「必要とされない限り全国に展開していく気はありません。だけどやりたいことは山ほどあります。例えば介護業界って驚くほどお給料が安い。看護師、保育士も同じ。夜勤など負荷の大きい仕事なのに、人手が足りていないわりにそれだけしか払えないの?って疑問に思うことから始まりました。そこで社員と語っているのは、『自分たちの理想の介護事業をやっていこう』そのために、『自分たちの介護施設のベッド数を1,000床に増やそう』、ということ。これは本気で僕たちがやるべき事業だと思って取り組んでいるんです」

施設の利用希望者が年々増加する中、働き手不足によって利用したいけどできないという現状に、人材育成と施設運営の両面で取り組んでいます。

常に社会を視野に入れ、自分たちが変えていくという同社。社名の「シューペルブリアン」とは、最高の輝き、最高の絆を表す英語、フランス語が由来だそうです。社会に意味をもたらすグループ各社が相乗効果を生むべく、なおも全速力で走り続けている姿に、最高の輝きを感じました。

Interviewee


(左)代表取締役 木下昌幸 氏
(中央)取締役 上岡皓輔 氏
(右)人材派遣事業部キャリアコンサルタント 宗久昌明 氏

企業概要

シューペルブリアン株式会社 

  • 設立: 2002年
  • 代表者: 代表取締役 木下 昌幸
  • 〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀6番3号 和光八丁堀ビル7階
  • オフィシャルサイト https://www.spb-job.jp/

事業内容

人材派遣・人材紹介事業
医療福祉専門スタッフ、コールセンタースタッフ、販売スタッフ、オフィススタッフ、製造・エンジニアスタッフ、セールスプロモーションスタッフ

この記事の著者

AsanoAkira

AsanoAkira

大学卒業後、大手住宅メーカーに3年勤務したあと、さまざまな社会を経験したく派遣社員として6社を渡り歩く。景気悪化による失業を経験したことも。6社目の経営コンサルタント会社で一般事務からコンテンツ制作業務に転身。以降、直雇用での約12年間は、企業経営の現場で経営事例などのべ200人以上の取材執筆、編集に携わり、「経営は人。人生そのもの」と知る。現在はライフコーチなどを通じて、100年人生を思い通りに動かしたい人たちと未来創りに参画している。
詳しくは「ライター紹介」ページをご覧ください。

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