シリーズ「グッド派遣レポート」

働くよろこびをスタッフと、地域とともに 株式会社サン・プランナー

株式会社サン・プランナーのここがグッド!

  • アイデア企画で地域雇用活性化
  • 社員と派遣スタッフが「第二の家族」
  • “輝き”に一貫した経営理念

  
VRで職業体験、企業を招いての周年祭運動会にドローン撮影、シェアハウスを利用した合コンなど、次々と打ち出す企画が話題になる株式会社サン・プランナーは、社員54名の人材サービス会社。静岡県沼津市を中心に、行政とともに地域雇用に携わり、その取り組みはすぐに新聞やテレビに取り上げられるほどです。同社には社員のアイデアを現実化できる仕組みがあり、年に1度の新規事業プレゼン大会で新しい企画が生まれているのだとか。平均年齢32歳、20代も多く活躍しているといいます。どんな会社なのか、執行役員の田中 心也さんにお話しを伺いました。

田中さんは、沼津市とともに就職支援サイト「ぬまJob」を立ち上げられました。「派遣事業にとどまらず、地域の雇用問題にもっとダイレクトに関わっていきたいと考えたのがきっかけです」企業と求職者の転職マッチングイベントや、高校へのキャリア教育などを展開。働くことに強い抵抗を示していた高校生は、田中さんの研修によって目の色が変わり、仕事への意識が変わったといいます。「沼津市を中心とした静岡東部は、人口減少が進むなかでも、とくに18~35歳層の流出が激しいのが現状です。地元への愛着はあっても、大学や就職先は選択肢の多い関東に流れてしまう。そこで人材サービスを専門とする我々がお役に立てると考え、実現させました」


▲ぬまJob 高校生へのキャリア教育の様子

好奇心と発想を活かした新規事業が沸き上がる

ほかにどんな事業があるのでしょう。「シェアハウスでさんぷら部」は、派遣で仕事をしながら富士宮市の古民家に住んでみようというもの。静岡県の過ごしやすさと仕事を体感してもらい、移住してもらえたらいいな、という「ふじのくにに住みかえる推進本部」の取り組みの一貫です。これには北海道や九州などから応募があり、地域企業にも好評でした。そんな中、ある事に気づきます。当初は女性限定だったこの企画、集まってきているのはみんな独身でした。そこで地元の企業に声をかけ、独身男性との出逢いの場を創ることに。これが大当たり!6組のカップルが誕生し、中には、なんと一緒に住むことになった女性も。地元銀行からも取り組みが認められたほど、地元を挙げて応援される企画になりました。

また、最近注目を浴びているのが、VR(バーチャルリアリティー)を使った職場体験です。人材派遣や職業紹介において、あらかじめ撮影された職場の様子を、VRメガネによって360度体感できるというもの。通常、書類や写真に限られてしまう求職者への情報格差を解消する目的です。オフィスや工場内部を体験できることで、ここに自分の働く姿を想像できることは、大きな安心感になると感じました。実際に導入して以来、なんと入社辞退8割減という大きな成果で、メディアにも次々と取り上げられています。この企画のためにメンバー3人は秋葉原に繰り出し、最新VRを遊び倒してきたのだそう。おもしろがって取り組むことが大事なようです。


▲「転職のメガネ」による職場体験で入社辞退が8割減

アイデアが活き、エネルギー溢れる場

画期的な企画がすぐに立ち上がる同社には「全員経営」の意識があるようでした。決算書が全社員に配布され、社内委員会やイベントの企画運営ができるのはもちろんのこと、一人ひとりの好奇心を引き出す「会議」を重要視しています。細かく明文化されたルールにのっとり、社員一人ひとりが発言できる意義ある場を高頻度で設けています。ここに企画力とスピード感の秘訣があるようでした。会議は非効率という一般認識とは一線を画しています。

そんな社員のみなさんは喜ばせ好きでサプライズ好き。「称賛しあうこと」を大切にしており、自社で販売も手掛けているSNSアプリでは、社員同士のねぎらいや感謝、褒める言葉がどんどん飛び交っていて、見ていて気持ちよくなるSNSでした。

ある日の朝礼で、田中さんが娘さんの誕生日であることを話したことがありました。夕方、田中さんは外出を終えて社に帰ってくると、みんなから娘さんへの寄せ書きのプレゼントが用意されていたそうです!田中さんは涙が止まらなかったそうです。日常的に気づき伝えあう風土が、人を喜ばせる発想とチャレンジを生むように思えます。


▲社内で起こるサプライズ

すべては理念に通じる

同社が社員とともに大切にしているのは、創業精神と理念の共有です。創業者である小松剛之代表取締役は、前身であるお父様の会社の倒産を経験、「一度で良いから社員旅行をしてみたかった」というお父様のつぶやきに、「社会から必要とされ、社員が自慢できる会社を創る」と強く決意されたそうです。売上偏重主義から、徹底した理念経営に切り替えたことでリーマンショックを乗り越え、想いに共感する社員のみなさんと今に至ります。

「人が輝き、人を輝かせる」という経営理念は、毎年、この理念について考えるためだけの2日間の合宿を行うほど全員に浸透され、すべての判断、行動のもとになっています。朝礼で行うゲームや本気のラジオ体操も、「派遣スタッフさんを輝かせる前に僕らも輝かないと」という意図。普段から「派遣スタッフさんにとって良いか?悲しまないか?」といったやりとりも聞かれるそう。

社員も派遣スタッフさんも、“第二の家族“

驚くことにこの理念や行動指針は、クレドとして全従業員に配布、共有されています。同社は「社員は第二の家族」と捉えていますが、これは社員に対してだけでなく、派遣スタッフさんに対しても同様なのです。仕事終わりに派遣スタッフさんと本社のバーカウンターで語りあうこともしばしば。立場による裏表のない、オープンな関係を築けます。おかげで、会社公認のクラブ活動では、仕事では目立たなかった派遣スタッフさんが中心となってイキイキと運営したり、会社のイベント企画をやりたい!と名乗りを上げたりと、派遣社員さんとともに良い循環が生まれています。派遣スタッフさんの結婚式に社員が参列、祝辞を述べることも日常だそうです。


▲バーカウンターで語らい、クラブ活動はスタッフさんも運営

派遣スタッフさんの輝きは仕事の姿勢にも表れていて、企業からの評価で伝わってきています。「サン・プランナーさん以外には依頼しない」と言ってくださる企業も。「元気な会社」という印象は、社内だけでなく派遣スタッフさんとも本音で接する関係性から生まれているとわかります。


▲クレド「虎の巻」には自分自身の夢ビジョンを書くページも。

地域への想い、働くよろこび

夢ビジョンを共有し、絆を強めながらともに成長していく先には、どんな未来を見据えているのでしょう?「昨今、『働く』というとネガティブなイメージがついて回っているように感じます。私たちが描くビジョンは“働くよろこびの追求”です。働くことによる楽しみやよろこびを、一人でも多くの方に実感してもらいたい。働き方は変化していっても、今をよろこぶ人はまさに輝きを放っています。経営理念にある“人の輝き”は心の中から内発的に起こるもの、そうしてこの地域社会を輝く人たちでいっぱいにしたい。それが私たちグループのチャレンジなのです。」

チャレンジを通じて、少しずつ確実に地域に根ざしている実感を得られているという田中さん。同社から働くよろこびがあふれて、まぶしいまでに輝く、そんな地域の姿が見られそうです。


▲(中央)代表取締役 小松 剛之氏  (右)専務取締役 安在 純子氏

Interviewee

執行役員 田中 心也 氏

企業概要

株式会社 サン・プランナー

  • 設立: 2001年
  • 代表者: 代表取締役 小松 剛之
  • 本社所在地:〒410-0055 静岡県沼津市高島本町16-16 大樹生命ビル3F
  • グループ会社:SUNPLA Group 株式会社ソレイユ(訪問介護・有料老人ホーム企画運営)、株式会社高年社60(シニア専門就業支援)、株式会社サンプラダイニング(飲食事業)
  • オフィシャルサイト http://www.sunpla.info/

事業内容

①労働者派遣事業 
②業務請負・アウトソーシング 
③紹介予定派遣・職業紹介事業 
④社員向け教育研修事業 
⑤事業投資・起業家支援 
⑥HRテック事業

この記事の著者

AsanoAkira

AsanoAkira

大学卒業後、大手住宅メーカーに3年勤務したあと、さまざまな社会を経験したく派遣社員として6社を渡り歩く。景気悪化による失業を経験したことも。6社目の経営コンサルタント会社で一般事務からコンテンツ制作業務に転身。以降、直雇用での約12年間は、企業経営の現場で経営事例などのべ200人以上の取材執筆、編集に携わり、「経営は人。人生そのもの」と知る。現在はライフコーチなどを通じて、100年人生を思い通りに動かしたい人たちと未来創りに参画している。
詳しくは「ライター紹介」ページをご覧ください。

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